さて、今回までに様々な市販の画鋲を取り上げてきたが、今回は趣向を変えて、手作りの画鋲を見て頂こう。
画鋲を投げ始めて数ヶ月もすると、だんだんと画鋲に愛着がわいてきて、自分だけのオリジナル画鋲を持ちたいと思うようになってくる。 これはとても自然な反応で、ボウリングにはまった人間が、マイボール、マイシューズを用意したくなるのと同じように誰にでも湧き起こる感情だ。
当時知られていた画鋲は、ほんの数種類。当然、いろいろな細工方法が開発される。 先に登場した銀画鋲も、そんな細工の一つで、金色の画鋲ばかりのなか、きらりと光る銀身は、人を惹きつけて止まない。
こういう加工法?の発展を時間を追って見ていくのは楽しい。 まるで、人類の歴史の縮図を見るようだ。
最初に登場したのは、銀画鋲だった。手に汗を握りながら、画鋲を持っていると、メッキがはげて銀色になる。言ってみれば、自然からの発見だ。
次は、おそらく、三日月画鋲等に代表される月ものだろう。油性ペンなどで、いろいろな月齢の月を描いたものだ。
こういったものは、だいたい、画鋲のサビの形が三日月に似ていたとか、そんなのを見て思いつく。自然の模写によるものだ。
時を同じくして文字画鋲が登場する。記憶にある中でもっとも古いものは、自分の名前を書いたり、「バカ」とか「アホ」とか書いたりしたものだ。 この辺りにくると、もはや何かを手本にしたというものではなくなり、加工すること自体が一人歩きを始める。
その次は顔画鋲。顔画鋲は特に人気が高く、さまざまな表情のものが作られた。
興味深いことに、ここで文字画鋲がリバイバルする。 今度は、油性ペンで書くわけではなく、シールを使ったものだ。技術は進歩しても、表現するものは同じ。どこかで聞いた話だ。 (ちなみに上の写真は、三年以上前に作られた"手作り"画鋲。今回のために作ったのではない。)
とまあ、こんな感じで、様々に装飾された画鋲が生み出されてきた。
みなさんも、是非、自分の手で自分だけの画鋲を作ってみてはどうだろうか?

